召使いが磯釣りを始めた頃、初心者ならではの失態をいくつも演じてくれたので、 つまらない話を紹介しよう。

彼が渡船を利用するようになってまだ間もないころ、下田の横根に行った。
その日はあまりに潮が速く、私は仕掛けを沈める工夫にくれていた。 海に向かって右から左に流れる潮だった。そして召使いは、私の右側で釣りをしていた。
うねりもあり、朝のうちに既にバッカンを流されていたにもかかわらず、彼は集中力を失うことなく 釣りをしていた。ように見えた。
彼の浮きが私の前を通り過ぎて、更に左側の釣り師の前も通過した。 彼は正面を見ている。はたして、うねりを見ているのだろうか?それとも浮きを見失ったのか? それにしても、ミチイトの張りで少しは想像つきそうなものだが・・・・
不安をよそに更に浮きは流れ、既に私からも確認出来ないところまでいってしまっていた。
とその時、彼は合わせた!!!「来た!!」その瞬間竿は真横に曲がった。(爆笑)
しかし、 まだ気づかない。真正面を見たままぐいぐいとリールを巻いている。相変わらず竿は左に曲がっている。 (おいおい)
いい加減磯際まで来たところで、何か変な事に気づいたようだが、その時すでに魚は 磯の左側に引きずり上げられていた。(ほんまかいな?)
やっとポジションを移動して 魚を取り込んだ彼は傷だらけのカワハギを手に「釣れました」と上機嫌なのであった。
しかも その後も同じ方法でもう一尾カワハギを追加した・・・・・・ 必殺「カワハギの皮剥ぐ釣法」!!