水産増殖 47(3),343-348(1999)

沿岸域におけるメジナ稚仔魚の
体長ー体重関係について

吉原喜好・岡本英能・片岡大作

Length-Weight Relationship of Juvenile Nibber, Girella punctata,
at the Coastal Waters of Izu Peninsula

Kiyoshi YOSHIHARA*1, Hidetaka OKAMOTO*1, and Daisaku KATAOKA*1


日本水産増殖学会
(1999年9月受理)
Abstract: Length-weight regressions are presented for 4,964 juvenile nibbler, Girella punctata,caught during the period form May to August in 1997 and from March to August in 1998 at the Tanoura Inlet and the surrounding areas in eastern coastal waters of Izu Peninsula.
Samples were collected with either handling net or beach seine at the breaking zone and tide pool, and angled at the rocky beach.
The values of the relative growth coefficient(b) in the length-weight relationship W=fL(b乗) ranged from 3.213 to 3.101 in 1997 and from 3.333 to 3.134 in 1998.
These values became smaller with the lapse of time, indicating that the length of fish increased more aggressively than the weight. On the other hand, the condition factor increased with the lapse of time. The results revealed that during the studied period the shape of the fish was in the stage changing from juvenile into adult.

  Key words:Juvenile nibbler; Allometry; Condition factor; Izu Peninsula


*1 日本大学生物資源科学部(College of Bioresource Sciences, Nihon University,Kameino 1886, Fujisawa, Kanagawa 252-8510, Japan).

筆者ら1,2)は春季から秋季にかけての沿岸域の砕破帯やタイドプールに 出現するメジナ、Girella punctata の幼稚魚の体長組成の月変化を解析し、 沖合いの産卵場から沿岸域に来遊したメジナ仔魚が砕波帯やタイドプールに住み着いた後、 5cm 前後に成長したものから遂次沖合いの岩礁域に移動することを見いだした。 この時期のメジナは後期仔魚期を経て幼魚期へと移行して成魚の形態に近づくため、生態的、 生理的および形態的に変化が激しいことが予想される。 魚類の形態的変化についてはこれまでに、(1)体長(全長)と他の部位・器官との体成長を検討する 方法、(2)体重が体長の3乗に比例するという考えに基づいて肥満度を計算し、この変動を 雌雄、成長過程、環境などと対応させる方法および(3)アロメトリー式をあてはめ、 その相対成長係数(b)の変化を解析する方法などによって検討されてきた3
 本研究では、砕波帯やタイドプールまたは岩礁域から採取したメジナ幼稚魚の体長および 体重から、採集時期によってアロメトリー式における相対成長係数がどのように変化しているかを 調べるとともに、この時期の体長別の肥満度について検討した。

調査方法


調査は日本大学下田臨海実験所地先の田の浦湾およびその周辺 海域 (Fig.1) において1997年5月から8月および1998年3月から8月に行った。 砕波帯およびタイドプールでは手網または旋網(長さ16m,網丈1.5m,目合1cm)で、また岩礁帯においては 餌釣りによってメジナの幼稚魚を採取した。
 採取したメジナはベンゾカイン(安息香酸エチルのジエチルエーテル飽和液)で麻酔した後、 標準体長(以下、体長と略記)および体重を計測した。そして Binar coded wire tag で標識して 放流した1)
 計測値は月別に体長(W)と体重(L)の値をアロメトリー式(W-aLb乗)に あてはめて相対成長係数(b)の月別変化を検討した。 さらに相対成長係数が3に近い数値を示すことを確認した後、この値を肥満係数とした 肥満度(f=Wx103乗/Lb乗)を算出し、同じ体長階級に おける肥満度を月毎に比較した。
Fig.1.Location of the Shimoda Marine Biological Laboratory, Nihon University and sampling points. Closed circles(TA thought TC)and open circles(P1 thought P4)represent the sampling points at the pools, breaking beach (W and Wo) for handling net or beach seine,respectively.



結果


計測個体数 5mm間隔の階級ごとにまとめた計測尾数をTable 1に示した。1997年に 3,691尾および1998年に1,273尾の計4,964尾のメジナを採取して、体長および体重を計測した。 1997年では2cm台の個体が全体の58.7%を占めた。これは6月および7月に砕波帯において旋網で、また TC (Fig.1) において手網で多数のメジナを採取したためであるが、1998年にはこのように1時間に 多数の資料を採取することはできなかった。全体的にみると砕波帯またはタイドプールから沖合いの 岩礁域へ移行する体長5〜7cmの個体の採取尾数が少なかった。この大きさのメジナについては、 夜間にタイドプールで休息している個体を手網で採取するか、または小さな釣針によって釣り上げるほかに 採集方法が無く、生息場を移行する時期にある個体の入手は困難であった。
table 1. Number of measured fishes by each body length class of the investigated month in 1997 and 1998

Body
length
class
(cm)
Month
Sub
total
Total
1997
Sub
total
1998
May June July August March April May June July August

1.0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
1.5 0 187 28 0 215 5 4 125 47 0 0 181 396
2.0 12 968 326 1 1307 11 24 106 130 0 0 271 1578
2.5 88 234 532 6 860 0 12 26 50 0 0 88 948
3.0 49 100 118 19 286 0 0 16 7 1 3 27 313
3.5 4 12 27 94 137 0 1 10 5 0 5 21 158
4.0 1 3 13 200 217 0 0 0 4 0 13 17 234
4.5 0 0 1 227 228 0 0 0 2 0 3 5 233
5.0 0 0 0 95 95 0 0 0 0 0 2 2 97
5.5 0 2 0 41 43 1 0 0 0 0 0 1 44
6.0 0 3 0 14 17 0 3 0 0 0 0 3 20
6.5 0 5 2 2 9 4 5 2 1 0 0 12 21
7.0 3 5 0 6 14 9 9 4 6 0 0 28 42
7.5 0 11 3 0 14 10 14 7 11 0 0 42 56
8.0 5 6 2 1 14 13 22 13 14 0 0 62 76
8.5 9 7 3 0 19 19 19 13 30 3 0 84 103
9.0 19 4 7 1 31 12 15 15 25 3 2 72 103
9.5 22 0 14 0 36 18 8 12 33 16 2 89 125
10.0 36 1 10 2 49 11 7 6 20 16 7 67 116
10.5 19 2 13 2 36 9 5 2 23 24 3 66 102
11.0 19 0 6 8 33 6 2 2 16 34 5 65 98
11.5 10 0 4 6 20 3 5 0 3 16 2 29 49
12.0 4 0 2 0 6 0 1 0 4 11 2 18 24
12.5 0 0 2 0 2 0 0 0 2 6 3 11 13
13.0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 5 0 6 6
13.5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 2 6 6
14.0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
14.5 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1
15.0 0 1 0 1 2 0 0 0 0 0 0 0 2
15.5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

Total 300 1552 1113 726 3691 132 156 359 433 139 54 1273 4964

body length in cm

Fig.2.Length-weight relationships of juvenile nibbler in 1997.
body length in cm

Fig.3.Length-weight relationships of juvenile nibbler in 1998.

 体長ー体重関係 メジナの体長に対する体重の関係をFig.2および3に示した。 体長階級別および月別の採取尾数に偏りがあるものの、いずれの時期でも傾向線は放物線状であり、 W=fL(b乗)のアロメトリー式をあてはめることができた。ここで相対成長係数bは、一般に比重が 等しく立体的に相似であれば、重さは長さの3乗に比例し、多くの魚種で近似的にこの法則が 成り立つことが知られている4)。なお、fは始原成長指数であり、一般に肥満度 として魚体の肥満状態を表す。
 そこで、月別にアロメトリー式を求めてTable 2にその回帰式と決定係数を示した。 ここに示した回帰式はいずれの場合も有意水準0.05で有意であった。 1997年、1998年とも同一月ではほぼ類似した相対成長係数を示した。 bは3に近い値を示し、1997年では3.213〜3.101、1998年では3.333〜3.134の範囲内であり 、同じ年では月を追うごとにbの値がわずかづつ減少し、逆に始原成長指数は1998年7月を除いて は月を追うごとに増加する傾向が認められた。なお、1998年7月には1.5cm〜2cm台の仔魚期の 標本が採取できなかったため、他の月の結果とは異なった数値が得られたものと推測された。


Table 2.Allometric equation and its coefficient of determination of juvenile nibber for each investigated month
Month 1997

1998

Equation R2乗 Equation R2乗

March - - W=0.014L3.333乗 0.996
April - - W=0.018L3.234乗 0.996
May W=0.009L3.213乗 0.989 W=0.019L3.201乗 0.991
June W=0.019L3.191乗 0.968 W=0.022L3.159乗 0.996
July W=0.020L3.127乗 0.981 W=0.029L2.996乗 0.972
August W=0.026L3.101乗 0.915 W=0.024L3.134乗 0.998

Whole
year
W=0.021L3.055乗 0.969 W=0.020L3.185乗 0.996

 肥満度の月変化 肥満度(F)は通常、体重が体長の3乗に比例することを前提として F=Wx103乗/L3乗で計算されるが、吉原・久保 4)は多くの魚類中にはbの値が3あるいは3に近似の値でないものもあり、 また3に近似であっても魚種によってそれぞれ固有のb値を持つ魚種があれば3の代わりに その値を採用すべきとしている。
 Table 2 の結果からメジナでは、いずれも3に近い値をとることが判明したが、3の代わりに 相対成長係数を用いた方が、それぞれの季節に特徴的な傾向を見いだすことができると考えられた。 そこで月別、体長階級別の平均肥満度とその標準偏差をTable 3 に、また体長と平均肥満度の関係を Fig.4 に示した。
 月を追うごとに肥満度は高くなる傾向が認められた。ここに示した体長範囲内では 3月から7月までは11cm台に肥満度のピークが出現した。これはこの体長階級の採集尾数が 少なく、データの偏りの影響が現れたものと推測された。
 Binary coded wire tag による標識調査の結果、いくつかの体長階級で、 毎月捕獲されている個体があることが判明した1)。 そこで平均値の差の検定によって同じ体長階級でも採取された月によって肥満度に差があるか 否かを解析した結果、いずれの場合も有意水準0.05あるいは0.1で有意性が認められ、 同じ体長階級でも遅い月に採集された個体ほど肥満度が大きくなることが明らかになった。


table 3. Comparison of condition factor by each body length class of the investigated month in 1997 and 1998

Body
length
class
(cm)
Condition factors*1 in each month

1997

1998

May June July August March April May June July August

1.0
1.5 19.32
+_4.08
19.79
+_2.89
14.66
+_1.46
17.49
+_2.56
19.14
+_5.03
23.76
+_5.99
2.0 11.84
+_4.23
19.03
+_0.23
20.21
+_3.39
16.77 13.98
+_1.37
17.94
+_2.67
18.20
+_3.50
22.49
+_3.61
2.5 10.33
+_6.35
18.95
+_2.26
19.48
+_2.24
26.27
+_2.95
17.56
+_3.02
17.89
+_2.53
21.12
+_2.54
3.0 8.51
+_2.03
18.62
+_2.26
19.26
+_2.87
28.63
+_4.78
19.89
+_1.70
20.12
+_2.66
21.45 21.14
3.5 9.03
+_1.20
17.32
+_2.98
18.77
+_3.62
27.77
+_3.34
16.27 18.37
+_1.14
22.31
+_0.98
22.15
+_2.31
4.0 8.09
+_0.69
15.49 19.95
+_3.74
25.54
+_4.57
21.06
+_0.69
23.95
+_2.17
4.5 23.10
+_2.73
24.70
+_4.52
21.49 24.11
+_2.93
5.0 24.62
+_2.93
21.21
5.5 20.54 23.95
+_4.49
14.95
6.0 18.81 25.44
+_4.95
17.03
6.5 19.83
+_1.03
17.94 29.83 15.91
+_1.49
17.45
+_1.79
17.75 21.87
7.0 9.05
+_5.32
18.06
+_1.72
28.10
+_2.94
14.12
+_1.39
17.51
+_0.96
16.98
+_0.98
22.32
+_2.60
7.5 19.21
+_2.56
18.96 14.79
+_1.40
17.75
+_2.41
18.81
+_1.55
22.75
+_1.38
8.0 9.53
+_1.07
21.45
+_1.71
21.99 31.18 14.33
+_1.29
17.30
+_1.82
18.95
+_1.74
22.18
+_1.71
8.5 9.36
+_1.24
21.04
+_2.75
21.03 15.29
+_3.42
17.66
+_1.63
18.83
+_1.23
21.70
+_1.73
28.87
9.0 9.86
+_1.04
20.96
+_3.64
21.65
+_4.04
35.27 14.69
+_1.78
17.81
+_1.40
18.54
+_1.62
22.39
+_2.78
29.90 26.51
9.5 9.67
+_0.97
21.34
+_3.18
14.49
+_1.26
18.13
+_1.23
19.67
+_0.98
23.00
+_2.13
29.58
+_1.36
24.71
10.0 9.86
+_1.09
19.01 22.12
+_3.65
31.71 13.98
+_1.18
17.36
+_1.28
19.10
+_2.14
22.80
+_1.94
29.26
+_2.41
23.45
+_1.00
10.5 9.54
+_0.61
18.82 20.15
+_1.42
32.19 13.72
+_1.43
17.75
+_1.24
19.09 23.29
+_1.75
29.97
+_1.68
24.02
11.0 9.54
+_0.62
18.62
+_1.21
30.52
+_0.66
13.79
+_1.57
16.45 17.26 21.19
+_2.31
29.24
+_2.37
23.45
+_1.49
11.5 8.75
+_1.41
20.60
+_4.77
28.58
+_5.81
13.60 17.51
+_1.07
21.50 28.48
+_1.90
24.29
12.0 9.67
+_0.77
18.66 17.83 19.88
+_2.19
27.11
+_1.04
23.35
12.5 19.97 20.90 27.01
+_1.29
22.97
13.0 15.30 27.07
+_1.27
13.5 25.81
+_0.71
22.11
14.0
14.5 19.98
15.0 16.26 30.86
15.5

Average 9.53
+_0.98
19.65
+_2.70
20.61
+_3.05
31.47
+_3.24
14.35
+_1.70
17.53
+_1.38
18.78
+_1.54
21.88
+_2.07
28.39
+_1.56
23.87
+_1.25

 *1 Mean+_SD.


Fig. 4. Monthly changes of condition factor by body length clases: ◆,March;□,April;●,May;X,June;△,July;○,August.

Body length class in cm

考察


 魚類の体長・体重あるいは体重・体長関係と肥満度との関係については多くの研究が 報告されている。たとえば、鉄5)はアロメトリー式を用いての体長・体重 関係について考察し、(1)体長と体重の間に3乗法則が成り立つかどうかの確認、(2)水域を 異にする個体群間の相対成長係数や始原成長係数の差違に基づく独立した系統群の存在、(3) 3乗則が成立するという前提のもとでの体長から体重の成長式への変換、(4)魚群体の取り扱いを 尾数から重量に置き換えることなどが資源研究においては重要な課題であると述べている。
 Dulcic and Kraljevic6)は東アドリア海において地曳網、 刺し網および三枚網で漁獲された40種の魚類の体長・体重関係を検討し、ほとんどの魚類の 相対成長係数が2.607〜3.512の範囲であったが、この値は調査した体長範囲に限定すべきであると 述べている。
 魚体群の取り扱いを重量に換算するのにアロメトリー式を用いる方法として、 児玉7)はビク内の漁獲物の重量換算の方法について検討し、 さらに体長・体重関係はアロメトリーによって近似的に表現できるが、肥満度については少なくとも比較する標本の体長と体重の範囲が異ならないという条件が必須であると している8)。同様に伊藤8)、 伊藤・岩井10)は琵琶湖産仔稚アユ、Plecoglossus altivelis個体群の検討から、落合11)はニギス、Glossanodon semifasciataの研究から、肥満度の取り扱いには注意が必用であり、比較する体長範囲、季節あるいは場所などを限定すべきであり、さらにアロメトリーを適用する場合でも体長の幅はできるだけ広くとることが望ましいと述べている。
 本論文で取扱った体長範囲あるいは時期においては前述のように後期仔魚期から稚魚期、幼魚期へとより成魚に近い体型に移行する過程にあり、形態的に変化が激しい時期に相当すると推測される。従って春季に沖合いの産卵場から来遊したメジナ仔魚の沿岸域での成長は著しいと考えられ、月を追うごとに相対成長係数が異なることは当然の結果と考えられる。しかし、bは体長の伸びと体重の増大の相対的な関係を示すものであるから、体重の増加が著しい場合にはbはより大きな値をとるであろうし、逆に体長の伸びが勝った場合にはbはそれなりに小さな値をとるであろう。
 このような観点から本研究のbの値が月を追うごとに小さくなる現象(Table 3)は、調査した期間内では体長が正の成長に転ずる時期にあたると説明できるが、秋季から冬季にかけての計測例がないため、体長・体重関係の年変動については今後の検討課題となる。
 一方、肥満度をみると、各月の体長階級別の平均肥満度の差違は小さく、むしろ同じ体長階級でも月を追うごとに肥満度が増加する個体の出現に注目すべきであろう。肥満度が大きいほど魚は肥えていることになり、それは当然魚の外観に左右される。ニコルスキー12)は体高が高く、背幅の広い魚は体重の体長に対する比が大きいと述べている。春季に沿岸域に来遊する1.5〜2cmほどのメジナ仔魚は細長い体形を呈し、卵円形で著しく側扁する成魚13)とは異なるが、成長に伴い丸みを帯び、成魚に近づく。肥満度の増大もその変化の過程における現象ととらえるべきであろう。
 肥満度の季節変化については丸山14)がティラピア、Tilapia mossambicaで検討し、成熟期にあたる7〜8月に肥満度が最も高くなると報告している。同様に村田3)はスルメイカ、Todarodes pacificusの成熟と肥満度の季節変化について報告している。本研究で扱ったメジナ仔稚魚では成熟期との関連性は少なく、むしろ体形の移行期によるものと見なした。しかし肥満度などの栄養状態を表す指数を検討する場合には、さらに周辺の環境、特に餌環境や水温などの物理的環境要因の変動との関連についても検討する必用がある。
 上述のように体長・体重のアロメトリーの適用あるいは肥満度を成長の指標とする場合の問題点などについては多くの研究者の指摘があり、本論文では、それらの指摘に比較的準拠した形でまとめた。しかし一部に標本の小型魚への偏りや欠落などもあり、十分条件を満たしているとはいいがたいが、仔魚期から稚魚期、さらに幼魚期へ移行する時期のメジナの形態的変化の一端を明らかにすることができたものと考えられる。

要約


 1997年5月から8月、1998年3月から8月にかけて伊豆半島東海岸の田の浦湾およびその周辺海域において採取した4.964尾のメジナの稚仔魚の体長と体重の計測結果からメジナ稚仔魚の体長・体重関係について検討した。アロメトリー式の相対成長係数bが月を追うごとに小さくなることから調査期間内ではメジナの体長は正の成長を示すことが推定された。また月を追うごとに肥満度が増加することから、この時期のメジナは成魚に近い体形へ移行する時期にあることが判明した。

文 献

1) 吉原喜好・蔵方早苗・藤田千夏・池上龍朗・柳原昌子・和田孝記(1998):沿岸域における標識メジ稚千仔魚の移動と成長について. 水産増殖, 46(2), 177-182.
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3) 村田 守 (1978):スルメイカの体長・体重関係、北水研報,43, 33-45.
4) 吉原友吉・久保伊津男 (1981):水産資源学.共立出版,東京, 482p.
5) 鉄 健司 (1974):成長,資源生物論(西脇昌治編).東京大学出版会,東京,pp.50-64.
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9) 伊藤 隆 (1953):魚個体群における体重・体長関係の統計的取扱法について. 日水誌, 19(8), 915-911.
10) 伊藤 隆・岩井寿夫(1990):びわ湖産稚アユ個体群の体重-体長関係について. 水産増殖, 38>(2), 105-112.
11) 落合 明(1952):ニギスの生態学的研究T 体長と体重の関係. 日水誌, 18(4), 139-146.
12) ゲ・ヴェ・ニコルスキー (1964):魚類生態学(亀井健三訳).新科学文献刊行会, 米子, pp.185-186.
13) 松原喜代松・落合 明(1969):魚類学(下).恒星社厚生閣,東京, 695p.
14) 丸山為蔵(1963):湧水越冬テイラピア(Tilapia mossambica)の成長に関する研究U 夏期養成中の肥満度の変化. 水産増殖, 11(2), 73-79.