そもそも何故、竿が必要なのだろうか?それは仕掛けを遠くへ振り込むためであり、仕掛けを操作するためであり、
やりとりにおいて根ズレを回避したり、
その弾性によって魚の引きをいなしたり糸の強度を限界まで引き出すためだろう。
要するに、食わせるための操作性・機能性と、取り込むための操作性・機能性の高いものを、良い竿と言っていいのではないだろうか。
購入の際には、これに審美性や価格といった要素も加味される。
綺麗な塗装や目を引くパッケージ、宣伝文句や価格設定、ブランドなどは、誰にでもわかりやすく、店頭ではこれらの方がポイントが高いかもしれない。
しかし、竿の本質から考えれば、前述したような特性こそが重要と思われる。
では、竿の持つ特性にはどのような要素があるのだろうか。物理的に考えると、長さ・太さ・重さ・硬さ・弾性・糸の放出性などが挙げられる。その他にもガイドの形状や、リールシートの形状、調子なども、使用感を大きく左右する要素だ。
これらの中で、長さ、太さ、重さはカタログで確認出来るし、ガイドの形状や、リールシートの形状、調子等も、ある程度
店頭で確認することが出来る。糸の放出性に関しては、使ってみなければわからないが、逆に使ってみれば誰にでも判断出来るだろう。
それでは、硬さや弾性についてはどうか?こればっかりは魚を掛けてみないとわからないし、掛けたところで、どういうものが良いのか自分ではわからないという人も多いのではないだろうか。
そこで、一番わかりづらい竿の硬さ・弾性についてすこし考えてみたい。
竿の曲がり具合とでも言えば良いのだろうか。これこそが、純粋に竿の持つ本来の特性と言えると思うのだが、この部分に関する使用感を表現する言葉はとても難しく、時に曖昧だ。
特に強さと硬さは間違えやすい。よく、やわらかい=弱いと感じる人が居るが、それは誤解である。
物理的に言えば、硬いものほどもろいのだ。しかし、破壊にいたる変形に要する力の大小の関係もあるので、必ずしも硬い竿が弱い力で折れる訳ではない。また、強さと言っても、その物質の強度そのものを表す場合もあれば、曲がった竿の復元力を指すこともある。
決して強い=硬いではないのだ。
物理の話しはこの辺に置いておくとして、良い竿とは一体どんな曲がり具合なのか。私が考えるには、「一体感があり、しなやかで粘りのあるもの」だと思っている。さて、これはいったいどうゆうことか。
魚からの力は、糸を通して竿先から伝わってくる。逆に言うと、竿先から竿尻にかけて不自然に硬さが
変わると、そこで魚に与える違和感が急に大きくなってしまうのだ。
素直に曲がるしなやかさこそが、魚に与える違和感を最小限に留め、魚を必要以上に暴れさせない=大型を取り込める確率のアップに繋がるのではないかと考えている。
それと同時に、魚がどっちを向いているのか?止まっているのか、張り付いているのか?動き出したか?これらの情報をいち早く正確に判断することが、次の一手を正解に導く。これには竿の一体感が必要だ。一体感のあるしなりは、魚の引きをいなしながらリアリティを持って情報を伝えてくれるのだ。
そして粘りである。魚が止まったら竿の復元力を利用して魚を浮かせにかかる。
もちろん自分の力で浮かせる部分もあるのだが、基本的には竿を理想的な角度に保っていれば、竿の弾性により魚を浮かせることが出来る。
あえて、粘りという言葉を選択したのは「よく曲がるのに、そこからの復元力がある」というイメージだ。
パワーがあると言っても良いかもしれない。ただやわらかいだけではダメなのだ。
どうだろう。何となくイメージが伝わっただろうか。そして、自分にとっての理想の竿が頭に浮かんだだろうか。各人の釣りのスタイルや、通うフィールド、仕掛け、狙う魚のサイズなどによって、理想の竿は変わってくると思うが、
竿の特性をよく理解することで、自分の釣りに合った竿が見つけられるのではないだろうか。
そして、より正しい竿の使い方が身に付くのではないだろうか。
参考までに実験を行ったので、比較写真を見て欲しい。
今回の実験では、各竿に同じの重さのオモリをぶら下げて、その曲がりや反発力を比較した。
写真では、ある一瞬の曲がり具合しか記録できないので、コメントも合わせて記しておく。
(竿の角度が一定でなかったり、竿先が細いので見辛いとは思うが、竿ごとの曲がり具合の特徴はある程度わかると思う。大きな魚が掛かればもっと曲がった状態になるが、竿ごとの差が小さくなるので、わかりやすいようにあえて曲がっていく過程の様子を撮影した。)
尚、左の写真は 140g のオモリを、右の写真は 255g のオモリをそれぞれぶら下げている。下の大きな写真は、右の写真を拡大したもの。
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【 スーパーインターライン メガドライAIR 1号 5.3m(ダイワ) 】
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AIRは、このような小さな負荷でも、竿全体に一体感のあるしなりを見せる。今の私のスタイルにはピッタリの竿だ。
冬場のクチブトメジナ狙いやクロダイにもお勧め出来る。
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【 スーパーインターライン メガドライ 1号 5.3m(ダイワ) 】
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AIRに比べると、曲がりが竿先に集中している。使い方や場面によって、好まれるだろう。
ヘチ狙いの好きな副所長のお気に入り。1.2号の5mも、楽しい竿だ。
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【 SX ILトーナメントISO(初期モデル) 1号 5.3m(ダイワ) 】
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SXは、竿の曲がりは素直だが、やや復元力が弱いように感じた。旧型なので仕方ないが、エントランスガイドのワイヤーの通りもメガドライに比べて劣る。この竿を愛用している方には、メガドライよりもAIRの調子が合うと思う。
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【 α-ZOOM ISO-SPECIAL 1.5号 4.8-5.3m(シマノ) 】
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1.5号なので同じ負荷では直接の比較にならないが、ダイワばかりではつまらないのでシマノ製品も引っぱり出してみた。
写真で見るより素直なしなりを見せるが、ZOOMは好き嫌いが別れる装備だと思う。
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【 SZ ILトーナメントISO(初期モデル) 1号 5.3m(ダイワ) 】
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1.5号の対象に持ち出したが、今となっては少々分が悪い。インターラインの最初期モデルであり、糸の出・竿のしなり共に不満を感じる。
それだけ現在のインターラインが進歩したということだろう。
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【 オモリとして使用したペットボトル (左 140g /右 255g ) 】
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