ドラグ調整

使用したドラグチェッカーとリール
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TOUNAMENT ISO Z LBD の画像は、ダイワ精工株式会社公式サイト内【磯に本気】より転載
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このようにして計測する photo
実験に使用した竿 photo
地面に対して45度(竿と糸が90度)ぐらい photo
更に竿を起こしていくと・・・ photo
硬い竿としてルアーロッドを使用した photo
おまけ。これで猫と遊んでいます(笑)

 掲示板でドラグ調整に関する質問を受けたのだが、今まで「経験上このぐらい」というだけで正確な数値など考えたことも無かった。 それは、メジナ釣りの場合どうしても糸を出したく無い状況があったり、様々な角度で竿を使うので、ドラグ調整よりも竿やリールの使い方の方が大切だと考えていたからだ。 その考えは今も変わらないが、【TOUNAMENT ISO Z LBD】を新調したこともあり、良い機会なのでとりあえず調整の指標とできるような数値を理論的に考えてみたい。
私が伊豆半島でクチブトメジナを狙う場合、[竿1号]・[ミチイト2号]を使用する事が多いので、これを基準に考えてみる。

 【2号のミチイトはどれぐらいの強さか】
2号のミチイトはどれぐらいの強さなのだろうか。資料によると8lb.TEST相当ということなので、4kgぐらいの力に耐えられる事になる が、これを検証すべく実験を行った。
糸の両端を直径28mmの円柱状のパイプに結び、20回転以上巻き付けて (純粋に糸の引っ張り強さを調べるため)、ゆっくりとパイプを引っ張っていき、その破断限界を計測した。 計測には、タナシン電気株式会社ボウズプロダクションより発売されている【ドラグチェッカー】(DC-1005)を使用している。
計測誤差を少なくするため、糸は数カ所から採取し、10回の計測を行った。 最高値と最低値を除き平均をとった結果、ジャストロン2号で約4.5kgの力に耐えられることがわかった。
次に、結節部の限界値を探るべく、一方は先ほどと同様にパイプに巻き、もう一方をヨリ戻しに結んで引っ張ってみた。 その結果は3.8kgという値になったが、この値は、結び方や引っ張る速度で変化も見られ、引っ張り強度の80〜90%という風に幅を持たせたい。

 【竿による影響】
続けて、竿の違いや角度によってどの程度変化が起こるのかを実験してみた。 実験に使用したのは、以下の8本。最新の竿+比較対象として選んでいる。

  • 【紫電】2号-53P(ガイド数12個)
  • 【トーナメント 制覇】2号-53HR(ガイド数12個)
  • 【SZ INTERLINE トーナメント ISO】T-2号-53
  • 【トーナメント 制覇】1号-53(ガイド数12個)
  • 【SUPER INTERLINE MEGADRY AIR】1号-53
  • 【SX INTERLINE】1号-53
  • 【PACIFIC PHANTOM S】(ルアーロッド)2.5m(ガイド数5個)
  • 【ワカサギ用振り出し竿】90cm(ガイド数4個)
    基本設定として、リールからまっすぐ引っ張ったときに0.4kgで糸が出るようにドラグを調整しておき、 各竿にリールを装着した状態でのドラグの滑り出しと、更に竿を起こしていった時の変化を計測した結果が下の表である。
    竿名 滑り出し 最大値
    【紫電】2号 0.4 0.6
    【制覇】2号 0.4 0.65
    【SZ IL】2号 0.48 0.75
    【制覇】1号 0.4 0.6
    【MEGADRY AIR】1号 0.5 0.7
    【SX IL】1号 0.6 0.7
    【ルアーロッド】 0.4 0.6
    【ワカサギ】 0.4 0.4
                (数字の単位はkg)

    後述するが、糸を引っ張るスピードの影響はとても大きく、実験ではなるべくゆっくり竿をおこしたが、 多少の誤差が含まれる可能性は否めないことをお断りしておく。 また、最大値は竿の破損を防ぐため、地面に対して90度以内(竿と糸が110〜120度)で行っているので、実際には もう少し大きな値を記録する可能性もある。
    以上のことを踏まえた上で考察すると、竿を起こした状態では、竿を曲げない状態の1.5倍以上の負荷が掛かる事がわかる。 また、ガイドによる影響はあまり無いが、インターラインは外ガイド竿に比べて、滑り出しで2割以上負荷が大きい事もわかる。 更に竿が柔らかく、調子が胴に来るほど負荷が増える傾向にあると言えよう。 ワカサギ竿はあまりにも柔らかく、滑り出しから竿が曲がりきっているので、竿を起こしていっても変化が現れなかったようだ。

     【スピードによる影響】
    ドラグの滑り出しにおいて回転が追いつかないためだと想像するが、糸を引っ張るスピードを変えると糸にかかる負荷が変化する。
    破損の危険の少ない竿としてルアーロッド【PACIFIC PHANTOM S】を用い、竿を素早く起こして負荷を計測した。 結果は1.2kgと、ゆっくりドラグを滑らせた時の3倍の値を記録した。使用したルアーロッドの長さは、 メジナ用の磯竿の半分程度であるから、実際にメジナ用の磯竿で同じスピードで竿を起こした場合には、更にスピードが出るので 負荷が増すことが想像出来る。

     【結果】
    以上の実験の結果から、ドラグ調整に適正な値=引っ張り強さX0.8(結節部の強さを考慮)X0.333(スピードが出た場合を考慮)と導かれた。おおざっぱに言えば 引っ張り強さの1/4程度であるから、2号のミチイトなら1kg程度という事になる。
    ひとつ気を付けて欲しいのは、上記の値はミチイトを基準に算定したものであり、竿の角度によっては竿を破損する危険があるということだ。また、実験はあくまでも実験なので、今後ドラグを1kgに調整して実釣を重ねて結果を報告したい。

     【まとめ】
    メジナ釣りは、やりとりのとても難しい釣りであると言え、それゆえにレバーブレーキという特殊なリールが存在する。 ドラグリールを愛用する代表的な釣り人Eさんのやりとりを見ていても、とっさの時にはオープンベールで 対処したり、自ら糸を引き出したりもしていることから、ドラグは硬めに調整しているものと思われる。
    LBDというリールの場合レバーブレーキも付いているわけで、私の場合ドラグは青物等が食ったときの保険と考えている。 青物等が食った時に、竿を起こした状態で「やばいな〜」と感じるぐらいから糸が滑り出すのが良いと思う。 距離が近いうちはオープンベールで走らせ、ドラグで走らせる場合は竿を寝かした状態から段々起こしていき、 スピードが落ちてきたらスプールに指を添えたりしながら止めるという感じだ。 もちろん、最初から止め切れそうな場合は竿はおこしたままだ。
    一番嫌なのは、メジナとのやりとりで踏ん張りたい時に糸が出てしまうことだと思う。 ドラグをどのような場面で効かせたいのか、自分の狙いに合わせて調整し、それにかなった竿とリールの操作をすることが 理想では無いだろうか。


     【報告1】
    2002/12/8、【TOUNAMENT ISO Z 2500LBD】を使用していて、1号竿に1.7号のハリスで、74cm,4.5kgのマダイを 取り込むことが出来たので、そのときの様子を報告しておく。
    ミチイトは2号で、ドラグを1kgに調整していた。この調整が不適切なら、竿が折れても、ハリスが切れてもおかしくない魚だと思う。 やりとりは、こちらから聞きアワセたこともあり、初速の無い状態から始まった。 走られないように強引に溜め込んだのだが、この時にわずかに(ジジ・ジジジー・ジジジーぐらい)ドラグが逆転した。 レバーブレーキの最大ブレーキ力には余裕があり、このような時でも不意に逆転してしまうようなことは無かった。
    竿を伸されたらレバーで竿を起こし、魚が止まったら引っ張るような状態を延々と繰り返したのだが、 竿の弾力を使い切って糸が伸びる寸前までいくと、わずかにドラグが逆転するような感じだ。 その証拠に、魚を取り込んだ後にハリスをチェックすると、大物を釣った後によく見られるハリスの伸びきったような感じは無かった。 また、無駄に走られる事も一切無く、タックルの強度を生かし切れたように思う。
    これらのことから、ドラグの調整は適切であったものと考えている。2002/12/8の私のレポート参照