博多のおいちゃん 研究員 からの投稿

 オールジャパンレディースグレトーナメント
 副所長 かく闘えり!!  トラ!トラ!大トラ!

   開催日 2005年5月21日
   場所:大分県佐伯市米水津の沖磯一帯
   天候:晴れのちムチャクチャ晴れところによって熱中症
   風:北の風、微風(午前中は時折ヅラ飛びの強風)
   潮:大潮初日・満潮/午前6時頃・干潮/午前11時頃
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おいちゃん、ありがとう〜♪
 「食ったぁ〜!!」副所長の澄んだ声が磯に響く、対戦者たち周囲の人もこちらを振り返る。 時間は朝の七時過ぎ、5時半から始まった一回戦の第二ラウンドの後半である。 副所長の勇姿を撮影していたおいちゃんも慌ててハンディカメラを回し始める。
他の二選手はすでに第一ラウンドで一尾を釣り上げていて副所長を一歩リードしていた。 なのに副所長の竿だけが開始から一時間半がたっても沈黙したままだったのである。
試合の後、彼女はおいちゃんに「最初は米水津の潮がわからなかったから、ずっと探っていたんだよ」と話してくれた。そうかもしれないがサポーター役のおいちゃんにしてみれば、ここまで準備して大会に乗り込んだ副所長が(つまりカメラまで持ち込んで)一度もメジナとのやりとりができずに試合を終わらせてしまったら、所長やメジ研の皆さんやPさんに申し訳ないと少し焦っていた。 頑張れ!釣ってくれっ!って声をかけたいけれどプレッシャーになっちゃいけないし、 それにこの大会ではアドバイスやそれに類した応援は一切禁止されている。
仕方なく小声で「いずみちゃ〜ん!そろそろ釣らんと師匠の丹羽名人が乗り込んでくっど〜」と彼女に向かってつぶやいた、その瞬間、この日最初の「食ったぁ〜」が彼女の口から発せられたのである。いやホント嬉しかった、カメラを持つ手も興奮して小刻みに震えている(酒だぁ、酒をくれ〜、そうすりゃ震えも止まって 俺は名カメラマンよ)
カメラの窓からやり取りを覗いているとどうやら小振りのメジナのようだ 貴重な一尾目を安定したやりとりで無事に取り込むのを撮影しながら、さきほど彼女が明るく屈託のない大きな声で「くったぁーっ!」と叫んだことが思い出されて可笑しくなってしまった。
そりゃ上品に「お食べになりましたわ」とか言ってる場合じゃないのは分かっちゃいるけど、それでもおいちゃんにしてみれば、ヤンキー以外のレディの口から「食った」なんて男言葉を聞くことはまずもって経験がないのである。
無事に一尾目を取り込み、ハリスと針を交換し仕掛けを再び投入する副所長。 「あと一尾欲しい」この時点で三人の選手がそれぞれ一尾づつなのだが、 おいちゃんは撮影していた関係で副所長のサイズが一番小さいのを知っていた。 でも彼女には伝えていない、知ったってどうなるものじゃないし、何たって所長の パートーナーだし、きっとまた何かをやってくれそうな気がしていたんだな。 それに「普段着の釣り」に徹している彼女のエンジンもさきほどの一尾でどうやらアイドリングがすんだのか小気味良いリズムを奏で始めていた。すると第二ラウンド終了間際、又もや「食ったぁ〜」の声が発せられた。
彼女の竿が海面に突き刺さり釣ったヤツが半端な大きさじゃないのがすぐにわかった。 審判や他のサポーターもそのやりとりを注視している。 魚の引きに耐えている美しい副所長の横顔がそれこそM2の竿みたく真っ赤になりだした「こ、これはメジナじゃなーい、あと五分で取り込むのは無理だぁー」とこちらに向かって叫んでいる。 「無理でん何でんよかけん頑張れーっ、海面まで出しぇ〜、そしたらカメラで撮るったい」と願ったが数分のやりとりのあと無常にもバレてしまった。 審判をしていた男性が「ありゃ青物だよ、メジナの細仕掛けじゃ止められん」とつぶやく。 副所長を見ると腕の痺れをとるように海に向かって何度も右手を振っている あまり残念そうには見えないが、ああして気持ちを切り替えているのであろうか。
米水津の海も空も初夏の空気が横溢していてトーナメントには絶好の日和である 九州の釣り人たちの中には、大きな湾の中に沢山のポイントが点在している この米水津を苦手にしている人が多いと聞く。
それは複雑で微妙な潮がおりなすタナの変化に独特のテクニックが必要とされているのか それとも他の要因があるのかは素人のおいちゃん目ではわからない。 ただ丹羽梢さんの言葉を借りて皆さんにご説明すれば 「つまりですね、太平洋の潮流がまともにぶつかって来る伊豆とは釣りがかなり違うみたいなんですよ」となるわけである。
では、その難しく繊細な釣りを余儀なくされる米水津で見た副所長の釣りのレベルは いかほどなのかと言えば、これははっきり言って上手い!!
おいちゃんが言っているのではないよ、ロイヤルカップ四連覇の橋本実行委員長が
「博多のおいちゃん、今度の大会に出場した女性釣り師たちの殆どは、そのへんの男性じゃ、とてもかなわない技量を持っているからよく見て勉強してご覧なさい」
「へぇ〜 そんなに上手いんですか?」
「特に関東の丹羽さん、桜井さん、福岡の渡部さん、大分の田中さんや他の数名は凄いよ」
と言っておられたのですよ。
その言葉通り、何度も書くけど副所長はホント上手い!よ。おいちゃんは一回戦で副所長、二回戦で田中みどり選手(二回戦で今大会最高尾数と重量を釣り上げた)ファイナルで 渡部選手(優勝、橋本名人の愛弟子)の釣りをつぶさに拝見したが、皆さん実に見事な (おいちゃんが真似できないという意味も込めて)ラインコントロールとマキエワーク、そして果敢なポイント攻略と仕掛け変更をされていたのであります。 しかもその手返しも含めての動作がまことに機敏で華麗で決まっちゃってるのよ。
ほらよく磯でよく見受けるじゃん、ダラ〜ダレ〜の締りのないファッションした おっさん釣り師達(まぁおいちゃんもこの部類だけどさ)これとは対照的な世界に 生きてる彼女達を間近に見て一日でも接すれば、そりゃもの凄く影響受けまっせ〜。 釣りはやはりお洒落で華麗な方が観ていても楽しいのだ!
話をトーナメントに戻そう、いよいよ一回戦最終第三ラウンド、ポイントを交代して バッカンを移動させたあと審判とサポーターだけで勝敗の行方を話しあった。
「どうやら一尾の勝負で決まりそうですね」
「ええ、食い渋る今日の潮じゃ、あと一尾が取れたら勝ちでしょうね」、
というのも 三選手の中で一番魚をかけたのは全遊動の染谷選手だけど、ツキが飛んでいってしまうような大バラシを三回もやってしまい、いまだ一尾のみ。
もう一方の中村選手は環付き全遊動沈め釣りで第一ラウンドに良形をゲットしたが あとが続かずこれもまた一尾のみ。
我らが副所長は、出だしこそ中古スクーター並みのトロトロスタートでサポーターの おいちゃんをヤキモキさせたが徐々にテンションをあげていき、形は小さいけれど これまた一尾をゲットしている。
しかも第三ラウンドが開始される頃には下妻物語に出てくるターボチャージ付源チャリ みたく今にも何かしでかすぞって雰囲気を磯に漂わせてくれてたんだな。
いや〜、本当にドキドキしてきたんだ、その場に居たおいちゃんの気持ち、そして選手達の気持ち、みんな分かるかな?そう!みんなが「あと一尾!!!」って思ってたのさ
そしてとうとうドラマが生まれた。
今でも鮮明に覚えている、終了13分前、あの華奢な身体から待ちに待った 「食ったぁ〜」の声が磯に響き渡ったんだぜ、ホントやってくれたよ、格好良かったよ〜
皆が注目したし、おいちゃんなんてカメラ回しながら、「落ち着けーっ 落ち着けーッ慌てるなーっ」って叫んでたもんなぁ。でも一番落ち着いてたのは副所長で、一番パニクッてたのはおいちゃんだったかも、、、
タモ入れに成功してバッカンにメジナが入った瞬間、 おいちゃん「これで勝った!二回戦だ」と思ったね。
でも結果は検量で50g差で惜しくも 負けちゃったよぉ。二回戦には進めなかったけど、この難しい潮で唯一、二尾をゲット した副所長は素晴らしかったし、ちなみに決勝戦を闘ったレデース四人の釣果は三時間でたったの三尾だったんだ。そのうち二尾を釣った渡部選手が優勝したのさ。ねっ今日のトーナメントの厳しさがわかるっしょ。
副所長は結果が出たあとも片づけをしながら 「ま、こんなもんでしょ」なんて淡々としてたっけ。遠い東京からここまで来て一回戦で惜しくも敗退してこのセリフは中々言えないよ、ホント人間がてきてるねぇ。
だってさ福岡空港からストレートで来ても米水津まで車で三時間半かかるんだ、 実際あと三時間と三万五千円を足せば男女群島にも行ける距離なんだよ。
今回はサポーターやらせてもらって本当に良かったよ。初めてトーナメントを観戦して、色んな方と交流ができたし、とても充実しちゃいました。でもいい場面は副所長が持参したハンディカメラに収まっちゃったし、次にいい場面も副所長のデジカメを優先したし、最後に撮ったおいちゃんのデジカメの写真だけで観戦記を書くのは臨場感に欠けるかもしれないけど、どうか許してくださいな。

所長、あ〜た様のパートーナーはたいしたもんだったよ.若いけど話に筋が通ってるし、 美人を鼻にもかけてないし、そして一番感心したことは遠い九州まで自家製の梅酒をタッパに入れて持ってきて皆に振舞ったことさ.重かったろうに、おいちゃん、その梅酒をご馳走になりながら「ああ、この女性は心で人に接する術を知っているな」と静かに感動したよ。じゃそろそろ終わろうかな、稚拙な観戦記だけど読んでくれて本当にありがとう。         
 

−2005年5月21日 レデース・トーナメント観戦記− 
      
 by 博多のおいちゃん